社会福祉法人審査基準

別紙1
社会福祉法人審査基準
 

第1 社会福祉法人の行う事業
社会福祉法人(以下「法人」という。)は、社会福祉事業の主たる担い手として、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)に規定する法第24条の経営の原則に基づき社会福祉事業を行うほか、必要に応じ公益事業又は収益事業を行うことができるが、各事業は、次のようなものでなければならないこと。
なお、法人は、法第4条の趣旨を踏まえ、地域福祉の推進に努める使命を有していること、また、法第24条第2項の趣旨を踏まえ、地域における様々な福祉ニーズにきめ細かく柔軟に対応するとともに、既存の制度による支援や市場でのサービス供給では対応できない事業の実施などを社会福祉事業の支障のない範囲において積極的に取り組んでいくことが求められるものであること。
1 社会福祉事業
(1) 当該法人の事業のうち主たる地位を占めるものであること。
(2) 社会福祉事業の経営は、法第3条、第4条及び第5条の趣旨を尊重し、法第61条の事業経営の準則に合致するもの

であること。
(3) 社会福祉事業は、法令に基づく施設の最低基準その他の要件を満たしているものであること。
(4) 社会福祉事業に必要な財源の大半を収益事業に求めるような計画の下に行われるものであってはならないこと。
(5) 法第2条第3項第9号に規定する「生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業」は、社会情勢等の

変化に伴い、必要性が薄らいでいるので、新規に行うものについては抑制を図るものであること。
また、既に設立されている法人がこの事業を行っている場合についても、当該事業の規模を拡充することは地域の実情等を踏まえ、基本的に抑制を図ることとするものであること。
なお、平成13年7月23日社援発第1276号社会・援護局長通知「社会福祉法第2条第3項に規定する生計困難者のために無料又は低額な料金で診療を行う事業について」に基づいて無料又は低額な料金で診療を行う事業を経営する法人については、同通知に定める基準を厳格に遵守することを求めるとともに、この事業を継続することが困難であると認められる法人については、他の法人への切換えを指導すること。
(6) 第二種社会福祉事業である相談に応ずる事業のみをもって法人の設立を認めることは、公的相談機関の整備充実の状況を考慮しつつ、財政基盤、事業従事者の資質、事業実績等を充分に審査し、慎重に取り扱うものとすること。
(7) 第二種社会福祉事業である社会福祉事業の連絡を行う事業のみをもって法人の設立を認めることは、社会福祉協議会制度の趣旨及び全国的普及の状況等を考慮して、慎重に取り扱うものとすること。
2 公益事業
(1) 公益を目的とする事業であって、社会福祉事業以外の事業であること。
(2) 公益事業には、例えば次のような事業が含まれること(社会福祉事業であるものを除く)。
ア 必要な者に対し、相談、情報提供・助言、行政や福祉・保健・医療サービス事業者等との連絡調整を行う等の事業
イ 必要な者に対し、入浴、排せつ、食事、外出時の移動、コミュニケーション、スポーツ・文化的活動、就労、住環境の調整等(以下「入浴等」という。)を支援する事業
ウ 入浴等の支援が必要な者、独力では住居の確保が困難な者等に対し、住居を提供又は確保する事業
エ 日常生活を営むのに支障がある状態の軽減又は悪化の防止に関する事業
オ 入所施設からの退院・退所を支援する事業
カ 子育て支援に関する事業
キ 福祉用具その他の用具又は機器及び住環境に関する情報の収集・整理・
提供に関する事業
ク ボランティアの育成に関する事業

ケ 社会福祉の増進に資する人材の育成・確保に関する事業(社会福祉士・
介護福祉士・精神保健福祉士・保育士・コミュニケーション支援者等の養
成事業等)
コ 社会福祉に関する調査研究等
(3) 当該事業を行うことにより、当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨
げるおそれのないものであること。
(4) 当該事業は、当該法人の行う社会福祉事業に対し従たる地位にあることが必
要であること。
(5) 社会通念上は公益性が認められるものであっても社会福祉と全く関係のない
ものを行うことは認められないこと。
(6) 公益事業において剰余金を生じたときは、当該法人が行う社会福祉事業又は
公益事業に充てること。
3 収益事業
(1) 法人が行う社会福祉事業又は公益事業(社会福祉法施行令(昭和33年政令
第185号。)第13条及び平成14年厚生労働省告示第283号に掲げるも
のに限る。以下(3)において同じ。)の財源に充てるため、一定の計画の下
に収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって、社会通念
上事業と認められる程度のものであること。
(2) 事業の種類については、特別の制限はないが、法人の社会的信用を傷つける
おそれがあるもの又は投機的なものは適当でないこと。なお、法人税法(昭和
40年法律第34号)第2条第13号にいう収益事業の範囲に含まれない事業
であっても、法人の定款上は収益事業として扱う場合もあること。
(3) 当該事業から生じた収益は、当該法人が行う社会福祉事業又は公益事業の経
営に充当すること。
(4) 当該事業を行うことにより、当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨
げるおそれのないものであること。
(5) 当該事業は、当該法人の行う社会福祉事業に対し従たる地位にあることが必
要であり、社会福祉事業を超える規模の収益事業を行うことは認められないこ
と。
(6) 母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第14条に基づく資金の
貸付を受けて行う、同法施行令(昭和39年政令第224号)第6条第1項各号に掲げる事業については、(3)は適用されないものであること。
第2 法人の資産
1 資産の所有等
(1) 原則
法人は、社会福祉事業を行うために直接必要なすべての物件について所有権を有していること、又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていること。
なお、都市部等土地の取得が極めて困難な地域においては、不動産の一部(社会福祉施設を経営する法人の場合には、土地)に限り国若しくは地方公共団体以外の者から貸与を受けていることとして差し支えないこととするが、この場合には、事業の存続に必要な期間の地上権又は賃借権を設定し、かつ、これを登記しなければならないこと。
(2) 特例
ア 特別養護老人ホームを設置する場合
これについては、「国又は地方公共団体以外の者から施設用地の貸与を受けて特別養護老人ホームを設置する場合の要件緩和について」(平成12年8月22日社援第1896号・老発第599号厚生省社会・援護局長、老人保健福祉局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
イ 地域活動支援センターを設置する場合
これについては、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域活動支援センターの経営を目的として社会福祉法人を設立する場合の資産要件等について」(平成24年3月30日社援発0330第5号社会・援護局長通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
ウ 既設法人が福祉ホームを設置する場合
これについては、「国又は地方公共団体以外の者から施設用地の貸与を受けて既設法人が福祉ホームを設置する場合の要件緩和について」(平成12年9月8日障第669号・社援第2028号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。

エ 既設法人が通所施設を設置する場合
これについては、「国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて既設法人が通所施設を設置する場合の要件緩和について」(平成12年9月8日障第670号・社援第2029号・老発第628号・児発第732号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
オ 既設法人以外の法人が保育所を設置する場合
これについては、「不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について」(平成16年5月24日雇児発第0524002号・社援発第0524008号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
カ 地域密着型介護老人福祉施設の「サテライト型居住施設」又は構造改革特別区域における「サテライト型障害者施設」を設置する場合これについては、「地域密着型介護老人福祉施設の「サテライト型居住施設」及び構造改革特別区域における「サテライト型障害者施設」の用に供する不動産に係る取扱いについて」(平成16年12月13日社援発第1213003号・老発1213001号厚生労働省社会・援護局長、老健局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
キ 幼保連携型認定こども園又は小規模保育事業(利用定員が10人以上であるものに限る。)を行う施設を設置する場合
社会福祉法人が設置する幼保連携型認定こども園又は小規模保育事業を行う施設については、保育所と同様に「不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について」(平成16年5月24日雇児発第0524002号、社援発第0524008号雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長連名通知)第1の1及び2に準じた取扱いとして差し支えないこと。
ク 国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて既設法人がサテライト型居住施設である地域密着型特別養護老人ホーム以外の特別養護老人ホームを設置する場合
これについては、「国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて既設法人がサテライト型居住施設である地域密着型特別養護老人ホーム以外の特別養護老人ホームを設置する場合の要件緩和について」(平成28年7月27日社援発0727第1号・老発0727第1号厚生労働省社会・援護局長、老健局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支
えないこと。
2 資産の区分
法人の資産の区分は、基本財産、その他財産、公益事業用財産(公益事業を行う場合に限る。)及び収益事業用財産(収益事業を行う場合に限る。)とすること。
(1) 基本財産
ア 基本財産は、法人存立の基礎となるものであるから、これを処分し、又は担保に供する場合には、法第30条に規定する所轄庁の承認を受けなければならない旨を定款に明記すること。
イ 社会福祉施設を経営する法人にあっては、すべての施設についてその施設の用に供する不動産は基本財産としなければならないこと。ただし、すべての社会福祉施設の用に供する不動産が国又は地方公共団体から貸与又は使用許可を受けているものである場合にあっては、100万円(この通知の発出の日以後に新たに設立される法人の場合には、1,000万円)以上に相当する資産(現金、預金、確実な有価証券又は不動産に限る。以下同じ。)を基本財産として有していなければならないこと。
ウ 社会福祉施設を経営しない法人(社会福祉協議会及び共同募金会を除く。)
は、一般に設立後の収入に安定性を欠くおそれがあり、設立において事業継続を可能とする財政基盤を有することが必要であるため、原則として1億円以上の資産を基本財産として有していなければならないこと。ただし、委託費等で事業継続に必要な収入が安定的に見込める場合については、当該法人の基本財産は当該法人の安定的運営が図られるものとして所轄庁が認める額の資産とすることができること。
エ 母子家庭居宅介護等事業、寡婦居宅介護等事業、父子家庭居宅介護等事業、老人居宅介護等事業、障害福祉サービス事業(居宅介護、重度訪問介護、同行援護又は行動援護に限る。)(以下「居宅介護等事業」と総称する。)の経営を目的として法人を設立する場合については、「居宅介護等事業の経営を目的として社会福祉法人を設立する場合の資産要件等について」(平成12年9月8日障第671号・社援第2030号・老発第629号・児発第733号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
オ 共同生活援助事業等の経営を目的として法人を設立する場合については、「共同生活援助事業等の経営を目的として社会福祉法人を設立する場合の資産要件等について」(平成14年8月30日社援発第0830007号・老発第0830006号厚生労働省社会・援護局長、老健局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
カ 介助犬訓練事業又は聴導犬訓練事業の経営を目的として法人を設立する場合については、「介助犬訓練事業又は聴導犬訓練事業の経営を目的として社会福祉法人を設立する場合の資産要件の緩和等について」(平成15年5月8日社援発第0508002号)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。
キ 社会福祉協議会(社会福祉施設を経営するものを除く。)及び共同募金会にあっては、300万円以上に相当する資産を基本財産として有しなければならないこと。ただし、市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会(以下「市区町村社会福祉協議会」と総称する。)にあっては、300万円と10円に当該市町村又は当該区の人口を乗じて得た額(100万円以下のときは100万円とする。)とのいずれか少ない方の額以上に相当する資産で差し支えないこと。
ク イからキまで以外の財産であっても、法人が重要と認める財産は基本財産として差し支えないこと。
(2) その他財産
ア 基本財産、公益事業用財産及び収益事業用財産以外の財産は、すべてその他財産であること。
イ その他財産の処分等に特別の制限はないが、社会福祉事業の存続要件となるものは、みだりに処分しないよう留意すること。
(3) 公益事業用財産及び収益事業用財産
公益事業及び収益事業の用に供する財産は、他の財産と明確に区分して管理すること。ただし、事業規模が小さい公益事業については、当該法人の行う社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれのない限りで他の財産を活用して差し支えないこと。
3 資産の管理

(1) 基本財産(社会福祉施設を経営する法人にあっては、社会福祉施設の用に供する不動産を除く。)の管理運用は、安全、確実な方法、すなわち元本が確実に回収できるほか、固定資産としての常識的な運用益が得られ、又は利用価値を生ずる方法で行う必要があり、次のような財産又は方法で管理運用することは、原則として適当ではないこと。
① 価格の変動が著しい財産(株式、株式投資信託、金、外貨建債券等)
② 客観的評価が困難な財産(美術品、骨董品等)
③ 減価する財産(建築物、建造物等減価償却資産)
④ 回収が困難になるおそれのある方法(融資)
(2) 基本財産以外の資産(その他財産、公益事業用財産、収益事業用財産)の管理運用にあたっても、安全、確実な方法で行うことが望ましいこと。
また、株式投資又は株式を含む投資信託等による管理運用も認められること。なお、子会社の保有のための株式の保有等は認められないものであり、株式の取得は、公開市場を通してのもの等に限られること。
ただし、上記にかかわらず、以下の要件を満たす場合には、保有割合が2分の1を超えない範囲で、未公開株を保有することが可能であること。
① 社会福祉に関する調査研究を行う企業の未公開株であること
② 法人において、実証実験の場を提供する等、企業が行う社会福祉に関す
る調査研究に参画していること
③ 未公開株への拠出(額)が法人全体の経営に与える影響が少ないことに
ついて公認会計士又は税理士による確認を受けていること
(3) 法人の財産(基本財産、基本財産以外の財産双方)については、価値の変動の激しい財産、客観的評価が困難な財産等価値の不安定な財産又は過大な負担付財産が財産の相当部分を占めないようにする必要があること。
4 残余財産の帰属
定款で帰属者を定めない場合には、残余財産は国庫に帰属するものであること。
第3 法人の組織運営
1 役員等

(1) 関係行政庁の職員が法人の評議員又は役員となることは法第61条に規定する公私分離の原則に照らし適当でないので、差し控えること。ただし、社会福祉協議会にあっては、評議員又は役員の総数の5分の1の範囲内で関係行政庁の職員が、その評議員又は役員となっても差し支えないこと。
(2) 所轄庁退職者が評議員又は役員に就任する場合においては、法人における評議員又は役員の選任の自主性が尊重され、不当に関与することがないよう、所轄庁においては、法人との関係において適正な退職管理を確保すること。
(3) 実際に法人運営に参画できない者を、評議員又は役員として名目的に選任することは適当でないこと。
(4) 地方公共団体の長等特定の公職にある者が慣例的に、理事長に就任したり、評議員又は役員として参加したりすることは適当でないこと。
(5) 次に掲げる者は、評議員又は役員となることはできないこと(法第40条第1項及び第44条第1項)。
① 法人(同項第1号)
② 成年被後見人又は被保佐人(同項第2号)
③ 生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法又は法の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者(同項第3号)
④ ③に該当する者を除くほか、禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者(同項第4号)
⑤ 所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた社会福祉法人の解散当時の役員(同項第5号)
(6) 暴力団員等の反社会的勢力の者は、評議員又は役員となることはできないこと。
2 評議員
(1) 評議員の選任及び解任の方法については、法第31条第1項第5号において、法人が定款で定めることとしているが、同条第5項において理事又は理事会が評議員を選任・解任する旨の定めは無効とされていること。
定款で定める方法としては、外部委員が参加する機関を設置し、この機関の決定に従って行う方法等が考えられること。
(2) 評議員については、法第39条において「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」のうちから選任することとしており、法人において「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」として適正な手続により選任されている限り、制限を受けるものではないこと。
(3) 評議員は、法人の理事、監事又は職員を兼ねることはできないこと(法第40条第2項)。
(4) 評議員には、各評議員又は各役員の配偶者又は3親等以内の親族が含まれてはならないことに加え、各評議員又は各役員と特殊の関係がある者も含まれてはならないこと(法第40条第4項及び第5項並びに社会福祉法施行規則(昭和26年厚生省令第28号。以下「施行規則」という。)第2条の7及び第2条の8)。
(5) 評議員の数は、理事の員数を超える数とすること(法第40条第3項)。ただし、平成27年度における法人全体の事業活動計算書におけるサービス活動収益の額が4億円を超えない法人については、平成29年4月1日から3年間、4人以上であること(社会福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第21号)附則第10条及び社会福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成28年政令第349号)第4条)。
3 理事
(1) 理事は、社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ、実際に法人運営の職責を果たし得る者であること。
(2) 理事のうちには、次に掲げる者が含まれなければならない(法第44条第4項)。
① 社会福祉事業の経営に関する識見を有する者(同項第1号)

② 当該社会福祉法人が行う事業の区域における福祉に関する実情に通じて
いる者(同項第2号)
③ 当該社会福祉法人が施設を設置している場合にあっては、当該施設の管理
者(同項第3号)
(3) 理事は、6人以上でなければならないこと(法第44条第3項)。
(4) 理事には、理事本人を含め、その配偶者及び3親等以内の親族その他各理事と特殊の関係のある者(以下(4)において「理事の親族等特殊関係者」という。)が理事の総数の3分の1を超えて含まれてはならないこと(法第44条第6項及び施行規則第2条の10)。ただし、理事の親族等特殊関係者の上限は3人であること。
(5) 理事長は、理事会の決定に基づき(法第45条の13第2項第1号)、法人の内部的・対外的な業務執行権限を有すること(法第45条の16第2項第1号及び第45条の17第1項)。
(6) 理事長以外にも社会福祉法人の業務を執行する理事(以下「業務執行理事」という。)を理事会で選定することができること(法第45条の16第2項第2号)。
(7) 社会福祉協議会は、地域福祉の推進役として、社会福祉事業経営者、ボランティア活動を行う者等との連携を十分に図っていく必要があることから、当該社会福祉協議会の区域において社会福祉事業を経営する団体の役職員及びボランティア活動を行う団体の代表者を理事として加えること。
4 監事
(1) 監事は、当該社会福祉法人の理事又は職員を兼ねることができないこと(法第44条第2項)。

(2) 監事には、次に掲げる者が含まれなければならない(法第44条第5項)。
① 社会福祉事業について識見を有する者(同項第1号)
② 財務管理について識見を有する者(同項第2号)
(3) 監事は、2人以上でなければならないこと(法第44条第3項)。
(4) 監事には、各役員の配偶者又は3親等以内の親族が含まれてはならないことに加え、各役員と特殊の関係がある者も含まれてはならないこととしている(法第44条第7項及び施行規則第2条の11)。
(5) 監事には、公認会計士又は税理士を登用することが望ましいこと。

5 会計監査人
(1) 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならないこと(法第45条の2第1項)。
また、公認会計士法(昭和23年法律第103号)の規定により、計算書類について監査することができない者は、会計監査人となることができないこと(同条第3項)。具体的には、公認会計士法第24条又は第34条の11の規定により、公認会計士又は監査法人が当該社会福祉法人の役員等となっている場合等については、会計監査人となることができないこと。
(2) 会計監査人の設置が義務付けられる法人は、前年度の決算における法人単位事業活動計算書(第2号第1様式)中の「サービス活動増減の部」の「サービス活動収益計」が30億円を超える法人又は法人単位貸借対照表(第3号第1様式)中の「負債の部」の「負債の部合計」が60億円を超える法人であること(法第37条及び社会福祉法施行令第13条の3)。
6 法人の組織運営に関する情報開示等
(1) 会計監査を受けない法人においては、財務会計に関する内部統制の向上に対する支援又は財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援について、法人の事業規模や財務会計に係る事務態勢等に即して、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人(以下(1)において「専門家」という。)を活用することが望ましいこと。なお、法人が会計監査を受けた場合、専門家を活用した場合又は福祉サービス第三者評価事業を受審した場合において、法人が、法第59条の規定によ
る所轄庁への届出と合わせて当該会計監査報告の写し、当該専門家の活用に関する結果報告書の写し又は当該福祉サービス第三者評価事業の受審結果の写しを所轄庁に提出したときは、実地監査(法第56条第1項に基づく指導監査のうち一般監査としての実地監査をいう。以下同じ。)について平成13年7月23日雇児発第487号・社援発第1274号・老発第273号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長通知「社会福祉法人指導監査要綱の制定について」の2(4)に定めるとおりの取扱いとすることなどにより、法人の自主性の確保や負担軽減を図ることとして差し支
えないこと。

(2) 定款を主たる事務所及び従たる事務所に備え置かなければならないこと(法第34条の2第1項)。また、当該法人が定款を電磁的記録によって作成し、従たる事務所に備え置かなくとも閲覧に対応できる措置をとっている場合には備置きは不要であること(同条第4項及び施行規則第2条の5)。
(3) 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに監査報告(会計監査報告を含む。)(以下「計算書類等」という。)を定時評議員会の日の2週間前の日から5年間主たる事務所に備え置かなければならないこと(法第45条の32第1項)。また、従たる事務所においても3年間備え置かなければならないが(同条2項)、当該法人が計算書類等を電磁的記録によって作成し、従たる事務所に備え置かなくとも閲覧に対応できる措置をとっている場合には備置きは不要であること(同項ただし書及び施行規則第2条の5)。
(4) 財産目録、役員等名簿、報酬等の支給の基準を記載した書類及び事業の概要等(以下「財産目録等」という。)を毎会計年度終了後3月以内に、5年間主たる事務所に備え置くとともに、その写しを3年間従たる事務所に備え置かなければならないこと(法第45条の34第1項)。また、当該法人が財産目録等を電磁的記録によって作成し、従たる事務所に備え置かなくとも閲覧に対応できる措置をとっている場合には備置きは不要であること(同条第5項及び施行規則第2条の5)。
7 その他
(1) 評議員の任期は、原則として、選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までであること(法第41条第1項)。また、定款で「4年」を「6年」まで伸長することができること(同項ただし書)。
ただし、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることは
可能であること(法第41条第2項)。
(2) 評議員に欠員が生じた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員が就任するまで、なお、評議員としての権利義務を有すること(法第42条第1項)。また、評議員に欠員が生じ、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は利害関係人の請求により又は職権で、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができること(法第42条第2項)。
(3) 役員の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までである(法第45条)。ただし、定款によって、その任期を短縮することも可能であること。また、役員を再任することは差し支えなく、期間的な制限はないこと。
(4) 役員に欠員が生じた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお、役員としての権利義務を有する(法第45条の6第1項)。また、役員に欠員が生じ、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は利害関係人の請求により又は職権で、一時理事の職務を行うべき者を選任することができること(法第45条の6第2項)。
(5) 会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までであること(法第45条の3第1項)。また、定時評議員会において別段の決議がされなかったときは、再任されたものとみなされること(第45条の3第2項)。
(6) 会計監査人に欠員が生じた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならないこと(法第45条の6第3項)。この場合、一時会計監査人の職務を行うべき者の資格は会計監査人と同様であること(法第45条の6第4項)。
なお、法人の責めによらない理由(監査法人の倒産等)により、会計監査人による会計監査報告を所轄庁に届け出ることができない場合においては、所轄庁は届出の猶予等を行うことが必要であること。
(7) 職員については、理事長が任免することとして差し支えないが、事業の成否に関係のある施設長等は、理事会の議決を経て、理事長が任免することが適当であること。
第4 法人の認可申請等の手続
1 所轄庁
(1) 法人の行う事業が二以上の都道府県の区域にわたるか否かは次の基準により判断すること。
ア 基本的な考え方としては、施設経営を行う事業の場合、当該施設の所在地が二以上の都道府県にわたるか否かで判断する。それ以外の各種居宅介護等事業、相談事業等についても、これに準じ、当該事業に係る事業所の所在地で判断すること。
イ 法第2条第3項第13号に定める連絡又は助成事業については、各社会福祉事業に関し、連絡又は助成を行うものであるという事業の性格に鑑み、当該「連絡」又は「助成」の趣旨、目的、範囲等により判断すること。(例えば、各都道府県で行われている社会福祉事業を全国的に連絡する事業の場合は、事業範囲は全国にわたるものであること。)
ウ 法人が行う事業が二以上の地方厚生局の管轄区域にわたり、次の①から④までのいずれかに該当する場合は、厚生労働大臣が所轄庁となるものであること。
① 全国を単位として行われる事業
各都道府県において活動している団体を統括する組織が、全国を単位として行う事業が法人の主たる事業であること。
② 地域を限定しないで行われる事業地域を限定することなく行われる、高齢者、障害者、児童等の福祉についての助成、相談等の事業が法人の主たる事業であること。
③ 法令の規定に基づき指定を受けて行われる事業

社会福祉法等の法令に基づき、全国を通じて1個に限り、指定を受けて行う事業が法人の主たる事業であること。
④ ①から③までに類する事業
エ 公益事業及び収益事業についても基本的にはア、イ及びウと同様に取り扱うものとすること。
(2) 法人の行う事業が市の区域にとどまるものか否かについても、(1)に準じて判断すること。

(3) 都道府県知事又は市長が所轄庁となっている法人が、(1)ウに該当する事業を開始しようとして定款変更の認可を受けようとするときは、厚生労働大臣に申請させること。
(4) 市長が所轄庁となっている法人が、他の市町村においても事業を開始しようとして定款変更の認可を受けようとするときは、当該都道府県知事に申請させること。ただし、指定都市の市長が所轄庁となっている法人が、当該都道府県内の他の市町村においても事業を開始しようとする場合及び(3)の場合を除く。
なお、当該都道府県知事は、当該定款変更を認可したときは、その旨当該市長に連絡すること。
(5) 法人の事務所の所在地の変更に伴い、所轄庁が変更となる社会福祉法人における当該事項に係る定款変更の届出は、変更後の所轄庁に対し行わせること。
(6) 指定都市の市長が所轄庁となっている都道府県社会福祉協議会・都道府県共同募金会・都道府県が設置する社会福祉事業団の定款変更の認可等に当たっては、指定都市の市長は、都道府県知事との連携を図り、必要に応じて情報の交換に努めること。
2 法人の認可審査の手続
都道府県及び市(以下「都道府県市」という。)における法人の設立認可の審査に当たっては、法人認可担当、施設整備担当以外の関係各課、各部局を加えた庁内審査会を設置する等内部牽制を確保した合議制により厳格に行うこと。この際、施設整備の必要性とは別に、独立した判断が確保されるよう留意すること。
3 その他
(1) 補助金又は独立行政法人福祉医療機構の融資を受けて社会福祉施設を設置する場合の法人の設立認可の審査は、当該補助金及び融資の審査と相互に連携を図り、行うものであること。なお、法人の設立は、当該補助金の交付が確実になった後でなければ認められないこと。また、当該施設の認可又は設置の届出は当該法人が成立した後でなければ行うことができないこと。
(2) 設立代表者又は法人理事長への就任を予定している者が既に別の法人の理事長である場合には、既存法人における組織運営、事業運営、資金計画の履行状況等を確認し、異なる事業主体を設立する必要性が認められるものであること。
第5 その他
(1) 基本財産の担保提供の承認は、担保提供の目的の妥当性、担保提供の必要性、担保提供方法の妥当性、担保提供に係る意思決定の適法性等を考慮して判断すべきものであり、一律に不承認としてはならないこと。
(2) 定款変更認可及び基本財産の処分又は担保提供の承認は、事業を開始したり、資金の借入れが決定した後に形式的に行われることが多いので、かかることのないよう、計画が固まった段階で、事前にこれらの承認を行うようにすること。
(3) 法人が公益事業を行うために定款変更認可の申請をした場合であって、先駆的事業に試行的に取り組む場合、一時的な剰余金を用いて短期の公益事業に取り組む場合などには、当該公益事業の特性に応じて事業計画等の審査を特に弾力的に行うこと。
(4) 法人は、毎会計年度終了後3月以内に、施行規則第9条に規定する方法により、計算書類等及び財産目録等を届け出なければならないこと(法第59条)。
また、計算書類、財産目録及び附属明細書(施行規則第10条の2第2号に掲げる部分に限る。)並びに事業の概要等(法第45条の34第1項第4号)のうち施行規則第2条の41第1号から第13号まで及び第16号に掲げる事項(以下「現況報告書」という。)並びに同条第14号に掲げる事項については、別に定める様式を用いて届け出ること。これらの届出については、施行規則第9条第3号の情報処理システムに記録する方法により行うことが望ましいこと。
(5) 法人は、定款、報酬等の支給の基準、計算書類、役員等名簿及び現況報告書について、インターネットの利用により、遅滞なく、公表すること(法第59条の2第1項及び施行規則第10条)。なお、計算書類及び役員等名簿及び現況報
告書については、法人の運営に係る重要な部分に限り、個人の権利利益が害されるおそれがある部分を除くこと(施行規則第10条第3項)。
また、計算書類及び現況報告書について、施行規則第9条第3号の情報処理システムに記録する方法により所轄庁に届出を行ったときは、法人が公表を行ったものとみなされること(施行規則第10条第2項)。
なお、ホームページが存在しないこと等によりインターネットでの公表が困難な法人が存在する場合には、所轄庁のホームページにおいて公表又は所轄庁が施行規則第9条第3号の情報処理システムに記録すること。この場合には、当該法人が自ら公表を行うことが困難な理由を確認すること。

(6) 法人に関する申請書の様式は、当該申請者等に別段の支障がない限り、別記第1の様式例によるよう指導すること。

​別表 省略

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